2015年10月30日金曜日

『短篇小説の魅力』の抜粋

「作者は何を伝えたかったのか」という考え方をしているかぎり、私たちは本当にその作品を味わうことはできません。ならばどうしたら良いのか。

「ある物語についてその主題を論じられる場合、すなわち物語の本体から主題を引き離せるとき、その作品はたいしたものではないと思っていい。意味は、作品の中で体を与えられていなければならない。具体的な形にされていなければならない。物語は、他の方法では言えない何かを言う方法なのだ。作品の意味が何であるかを言おうとしたら、その物語の中の言葉がすべて必要である。それは何についての物語か、とたずねる人がいたら、正当な答えはただ一つ、その物語を読めと言ってやるしかない」(フラナリー・オコナー『秘儀と習俗』 春秋社)

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