2017年9月2日土曜日

細雪(梗概)

『細雪』(ささめゆき)は、谷崎潤一郎の長編小説。1936年(昭和11年)秋から1941年(昭和16年)春までの大阪の旧家を舞台に、4姉妹の日常生活の悲喜こもごもを綴った作品[1]。阪神間モダニズム時代の阪神間の生活文化を描いた作品としても知られ、全編の会話が船場言葉で書かれている。上流の大阪人の生活を描き絢爛でありながら、それゆえに第二次世界大戦前の崩壊寸前の滅びの美を内包し挽歌的切なさをも醸しだしている[2]。舞台は阪神間だが、本質的には大阪(船場)文化の崩壊過程を描いている。
谷崎潤一郎の代表作であり、三島由紀夫をはじめ、多くの作家たちにより文芸評論・随想等で取り上げられ高く評価され、読書アンケートや名著選でも必ず近代文学の代表作に挙げられている作品である。『細雪』は〈天子様〉(昭和天皇)に献上されたが、通常は小説を読まない天皇が、この作品は全部読了したと谷崎は聞いたという[1]。

目次

背景・出版経過

谷崎は第二次世界大戦中の1941年(昭和16年)に谷崎潤一郎訳源氏物語(旧訳)を完成させ、1942年(昭和17年)9月下旬には山梨県南都留郡勝山村(現在の富士河口湖町勝山)の河口湖湖畔にある富士ビューホテルに滞在しており、その滞在中の様子をモチーフとした場面が『細雪』下巻に描かれている。
1943年(昭和18年)、月刊誌『中央公論』1月号と3月号に『細雪』の第1回と第2回が掲載された。夫人の松子、義姉、義妹たち4姉妹の生活を題材にした大作だが、軍部から「内容が戦時にそぐわない」として6月号の掲載を止められた[1][2]。
谷崎はそれでも執筆を続け、1944年(昭和19年)7月には私家版の上巻を作り、友人知人に配ったりしていたが、それも軍により印刷・配布を禁止された。中巻(544枚)も完成したが出版できなかった[2]。疎開を経て、終戦後は京都の鴨川べりに住まいを移し、1948年(昭和23年)に作品を完成させた。
戦後に発表が再開されたものの、今度はGHQによる検閲を受け、戦争肯定や連合国批判に見える箇所などの改変を余儀なくされた[1]。それらの過程を経た『細雪』全巻の発表経緯を以下にまとめる。
  • 1943年(昭和18年)
  • 1944年(昭和19年)
    • 私家版『細雪 上巻』(非売品)を7月に刊行。
  • 1946年(昭和21年)
  • 1947年(昭和22年)
    • 『細雪 中巻』を2月に中央公論社より刊行。
    • 下 - 『婦人公論』3月号-12月号
  • 1948年(昭和23年)
    • 下 - 『婦人公論』1月号-10月号
    • 『細雪 下巻』を12月に中央公論社より刊行。
  • 1949年(昭和24年)
    • 『細雪 全巻』を12月に中央公論社より刊行。
『細雪』はベストセラーとなり、谷崎は毎日出版文化賞(1947年)や朝日文化賞(1949年)を受賞した[3]。
世界各国でも出版されており、スロベニア語・イタリア語・中国語・スペイン語・ポルトガル語・フィンランド語・ギリシャ語・フランス語・セルビア語・ロシア語・英語(The Makioka Sisters(英語))・韓国語・オランダ語・チェコ語・ドイツ語に翻訳されている。
なお、作中には年号の表記が出てこないが、作中で四季の移り変わりと大きな気象災害が克明に描かれているため、この作品は日中戦争勃発の前年1936年(昭和11年)秋から日米開戦の1941年(昭和16年)春までのことを書いているとされている[1][4]。
『細雪』の舞台となった場所
①兵庫県武庫郡住吉村(現・神戸市東灘区)の谷崎の旧邸は、保存運動がNPO法人「谷崎文学友の会」と地元住民によって進められ、六甲ライナー建設による移築保存を1990年(平成2年)に成しとげ、「倚松庵」と名づけられている。
②岐阜県不破郡垂井町表佐地区(業平川)が5月下旬から6月中旬にかけての「蛍狩り」の舞台である。同町で谷崎が執筆する為に使用した「爛柯亭」は現在同県郡上市へ移築されている。

あらすじ

大阪船場で古い暖簾を誇る蒔岡家の4人姉妹、鶴子・幸子・雪子・妙子の繰り広げる物語。三女・雪子の見合いが軸となり物語が展開する。

主な登場人物

蒔岡家
  • 鶴子 - 長女、本家の奥様
    • 辰雄 - 鶴子の婿養子、銀行員
  • 幸子 - 次女、分家の奥様 -「ごりょうんさん」(船場言葉「御寮人さん」= 若奥様) 谷崎の妻・谷崎松子がモデル。
    • 貞之助 - 幸子の婿養子、計理士
    • 悦子 - 幸子と貞之助の娘
  • 雪子 - 三女
  • 妙子 - 四女 -「こいさん」(船場言葉「小娘さん」= 末娘)
その他
  • 井谷 - 幸子たち行きつけの美容院の女主人
  • 奥畑 - 妙子の恋人、貴金属商の三男坊 -「啓坊」「啓ちゃん」
  • 板倉 - 妙子の恋人、写真師
  • 三好 - 妙子の恋人、バーテンダー
  • 瀬越 - 雪子の縁談相手
  • 野村 - 雪子の縁談相手
  • 沢崎 - 雪子の縁談相手
  • 橋寺 - 雪子の縁談相手
  • 御牧 - 雪子の縁談相手、子爵家の庶子

上

蒔岡家は大阪の中流上層階級の家である。姉妹たちの父親の全盛期は大阪でも指折りの裕福な家だったが、代が変わるころには財産は減ってしまい、船場の店も人手に渡っている。本家は大阪の代々の家に住んでおり、長女の鶴子、その夫で婿養子となって蒔岡の名を継いだ辰雄、その6人の子供の一家である。
分家は阪神間の閑静な郊外、芦屋にあり、次女の幸子、同じく婿養子となって蒔岡の名を継いだ夫の貞之助、幼い娘の悦子の3人家族である。鶴子と幸子には雪子と妙子という2人の未婚の妹がおり、妹たちは本家と分家を行き来している。
物語の冒頭では、今まで雪子にあった多くの縁談を蒔岡家の誇りから断ってきたために縁談が減ってきており、雪子は30歳にして未婚であることが語ら れる。さらに悪いことに、妙子と間違えられて雪子の名が地元の新聞に載ってしまったことがある。妙子は奥畑と駆け落ちをしたのだ。辰雄は記事の撤回を申し 入れたが、新聞は撤回ではなく訂正記事を載せ、雪子に換えて妙子の名を出した。
記事は蒔岡家の恥となり、雪子のみならず妙子の名をも汚すことになった。辰雄の対処に不満を持ち、また辰雄の堅実一方の性格がそもそも気に入らない ために、雪子と妙子はほとんどの時間を芦屋の家で過ごすようになった。新聞の事件の後、妙子は人形作りに慰めを見出すようになる。かなり上手で、人形は百貨店で売られている。妙子は幸子に頼んで仕事部屋を探し、そこで長時間人形を作って過ごすようになる。
井谷が幸子に瀬越という男性との見合いの話を持ってくる。井谷に急かされ、一家は瀬越について調査が済まないまま非公式な見合いをすることにする。一家はこの縁談に乗り気になるが、最後には断らざるを得なくなる。瀬越の母親が遺伝するという精神病を患っていることが判ったからである。
数か月後、幸子は女学校で 同窓だった陣場夫人から縁談を持ちかけられる。相手は中年のやもめで野村という。幸子は外見が老けていることもあり特に良いとは思わなかったが、一応調査 をすることにし、陣場夫人には決めるのに1〜2か月の猶予を求めた。一方で辰雄は勤務先の銀行の支店長として東京に行くことになる。辰雄一家は東京に引越 すことになり、雪子と妙子も一緒に行くことになった。妙子は人形作りの仕事のためにしばらく芦屋に留まることを許されたが、雪子はすぐに行かなくてはなら ない。
雪子は東京では元気が無く、鶴子はしばらく雪子を大阪に帰らせようと提案する。幸子が雪子を呼び寄せる口実を考えているところに、野村について催促の手紙が陣場夫人から届く。縁談に乗り気ではないものの、2人は芦屋に雪子を連れ帰る口実として見合いに同意する。
見合いの直前に幸子は流産し たため、野村との見合いは延期される。1週間後、幸子、貞之助そして雪子はようやく野村と会うが、幸子は野村があまりに老けて見えることに驚く。夕食後、 一行は野村の家に招かれるが、そこで野村は亡くなった妻と子どもたちの仏壇を見せる。雪子は野村の無神経さに嫌気がさし、結婚できないと言う。蒔岡家は野 村の求婚を断り、雪子はまた東京に送り返される。

中

妙子は人形作りに飽き、洋裁と山村舞に精を出すようになる。舞のお浚い会が芦屋の家で行われ、妙子も出演する。板倉という感じの良い若い写真師が写真を撮っている。板倉は妙子の人形の写真を撮っており、妙子と知り合いである。
1か月後、関西地方は大水害に襲われる。妙子は最も被害のひどい地域にある洋裁学院にいたが、板倉が妙子を救出した。板倉の勇気に感じ入り、妙子は好意を持つようになる。やがて妙子と板倉の関係は幸子に知られるが、幸子は板倉の低い出自のため反対する。それでも妙子は彼と結婚するつもりでいる。
妙子は洋裁の師匠と共にフランスに行って洋裁の勉強をしたいと思い、幸子に本家への口添えを頼む。師匠がフランス行きをやめることになると、妙子は洋服店を開くことに決める。妙子は本家に資金援助を依頼するため東京に行くが、板倉が病気になりすぐに大阪に呼び戻される。
板倉は乳嘴突起炎のため入院していたが、手術の合併症からくる壊疽のために亡くなる。板倉の死で、妙子が低い出自の男と結婚するのではという幸子の憂いはひとまず消えた。

下

6月、辰雄の長姉が幸子に縁談をもたらす。名古屋の名家の出の沢崎である。幸子、雪子、妙子と悦子は辰雄の姉を訪ねて大垣に行き、そこで雪子が見合いをすることになった。見合いはうまく行かなかった。幸子はいい印象を持たなかったが、結局沢崎の方から断ってきた。蒔岡家が縁談を断られたのはこれが初めてだった。
幸子は妙子がまた奥畑と縒りを戻したと聞く。ふたりの交際がだんだんとあからさまになり、貞之助は鶴子に報告する。鶴子は妙子に東京に来るよう申し渡すが、妙子は拒否し絶縁される。
井谷がまた縁談を持ち込む。この橋寺は魅力的な相手だったが、再婚の決心がついていないようだった。貞之助は雪子を連れて橋寺に会い、話を纏めようと奔走するが、雪子の引っ込み思案のために橋寺は縁談を打ち切ってしまう。
その後、幸子は妙子が奥畑の家で重い病気になっているとの知らせを受ける。妙子は赤痢と診断される。病状は次第に悪くなり、姉たちはよい治療を受けさせたい一方、妙子が奥畑の家にいることを知られたくないために悩む。結局妙子は一家の友人の病院に移され、そこで緩やかに回復する。
一方で、幸子は妙子が絶縁されて以来奥畑に頼って暮らしていたことを知る。また三好というバアテンと関係があるらしいとも聞く。幸子は驚くが、今や妙子と奥畑は結婚するしかないと考える。妙子が回復した後、幸子は奥畑が家族から満州行きを勧められていると知る。幸子と雪子は、妙子が一緒に行くべきだと考えるが妙子は同意しない。雪子は、妙子は奥畑から多くの物をもらっており借りがあると説得する。妙子は泣きながら家を出て2日間帰らなかった。奥畑は結局満州へは行かないことにする。
井谷が経営する美容院を売って渡米する予定だという知らせが蒔岡家に届く。出発前に井谷は幸子に、もう一つ縁談があると告げる。維新の際に功労のあった公家華族の御牧子爵の庶子で、45歳だという。姉妹が東京に行って御牧に会ってみると、その気さくな人柄にたちまち魅了される。東京滞在中に妙子は、三好の子を妊娠しており4か月だということを幸子に告げる。幸子と貞之助は妙子が有馬で秘密裏に出産するよう手配する。
蒔岡の家名を守るため、貞之助は奥畑に妙子の行状について他言しないよう求める。奥畑は妙子に使った金銭を補填することを条件に同意し、貞之助は 2000円を支払う。結局妙子は死産し、三好と所帯を持つ。蒔岡家は御牧家から求婚への返答を求められる。雪子はそれを受け入れ、貞之助は本家に同意を求 める手紙を送る。婚礼の日取りと場所が決まり、新居も決まった。雪子は婚礼衣装が届いても楽しげではなく、下痢が続き東京へ向かう電車でも止まらない。


2017年7月29日土曜日

レ・ミゼラブル 登場人物

ジャン・バルジャンとコゼット(ファンチーヌの娘)とマリユス:主たる人物
テナルディエ:兵士と経歴詐称、マリユスの父の恩人(ワーテルローにて)
ガブローシュ:その息子、バリケード戦で死亡
エポニーヌ:その娘、マイユスを追いバリケード戦で死亡
ジャベール:追跡刑事

ABCの会
アンジョルラス:美青年、ロベスピエール的
コンフェブール:平和主義
ジャン・プルーベール:さらに平和主義
フィイ:職人、独学の人
クールフェラク:義侠の人
バオレル:育ちが悪く正直
レグール:別名ボシュエ、ハゲ
ジョリ:医学生
グランテール:懐疑派なるもアンジョルラスに心酔、酔っ払い

2017年6月16日金曜日

世界終末戦争 登場人物

http://www10.plala.or.jp/shosuzki/chronology/brazil/brazil2.htm

1895~96年に起こった事件 共和制は1889年から(1888年奴隷制廃止)
1891年に第二代大統領となったペイショットはセザール大佐の上司
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エパミノンダス・ゴンサルヴェス:ジョルナル・ジ・ノチシアス(情報日報)編集長
共和国政府軍の介入を助けるため、カナブラーヴォ男爵系の王党派の州政府軍に対抗するため密かに反乱軍に武器供与しようとする(実は謀略で、禁制の英国武器を購入し英国が謀略をしかけるためスパイを派遣したが焼死したとでっちあげた。旧王党派つまり連邦主義者たちに疑惑を向け共和国直轄軍を派遣させるため。)のちセザール大佐の死後、カナブラーヴァ男爵と和解しバイア州知事となり連邦政府に対抗

カナヴラーヴァ男爵:帝国の元駐英大使だった 旧王党派で連邦主義者、自治政府を牛耳っている 自分の農園に違法に信徒たちが住み着き困っているが共和国連邦軍の介入には断固反対していた カルンビ農園をジャグンゾに焼かれ精神を病んだエステラとともに沿岸部に引退 ???の記者を引き取る セバスチーナ(インディオの女召使い)を気のふれたエステラのまえで犯す
エステラ:その妻、ルフィーノとジュレーマを農奴にしていたが結婚・独立を承認した
注:ジアリオ・ジ・バイア(バイア日報)はカナブラーヴァ男爵系
=> 彼等は隠れ王党派でも英国の手先でもないが、密かにカヌードスを支援していた
しかしエパミノンダスの陰謀で上記のように疑われたためカルンビ農園をあげてセザル大佐を支援した そしてそのために魔の犬に堕したとしてカヌードスから事前通告ののち焼き討ちにあった

モレイラ・セザル大佐:共和主義者でブラジルの南北戦争といわれる南部3州の反乱に果断なる殺戮でのぞみ鎮圧した”ジャコバン派”、通称首狩屋 最終鎮圧のためセルタンゥに向かう 攻撃は失敗し戦死
ジェラルド・マセード大佐:バイア警察義勇兵大隊を率いてカヌードスの戦いに参加するも共和国軍からコンセェイリヨへの内通を疑われ後衛任務ばかり押し付けられる

ガリレオ・ガル:無政府主義のボヘミアン、武器供与を依頼されるもルフィーノ不在中に彼の家で正体不明者に強奪される。その時の銃劇で恐慌に陥ったジュレーマに俄然魅力を感じ犯してしまう 強奪を指令したのは供与したのはエパミノンダスで、王党派を貶めるためにイギリスのスパイが武器供与していたとのねつ造をするためカイファス(ルフィーノの友人)に殺されそうになるがジュレーマが阻んだ ジュレーマはカイファスを殺さないように頼み負傷したガルと逃避行にでる ガルのかわりに誰か殺され謀略に使われた
カナブラーヴォの手先にカルンビ農園に連行されたが、焼き討ちまえにカヌードスに向かうのを許された(ルフィーノに後をつけられながら)付き添いの男は裏切ってルフィーノにわたす。
ルフィーノ:追跡案内人、カイファスから妻の裏切りを知り、復讐の追跡がはじまる ジュレーマと小人がガルの連行後に一緒にいるのをみつけ、縛り上げてガルに対面させる
=>彼等は結局決闘し共に果てる

ジュレーマ:その妻 犯されたあとはガルに同行する ガルの死後は、小人と???とともにカヌードスに入る。パジェウから求婚されるが、母性愛から始まり近視と恐怖におびえる???を熱愛する。
小人:つぶれかけのサーカス団で巡業中、傷ついたガルとジュレーマにでくわす
遍歴の詩人として皆から親しまれる
=>彼らは下記の????とともにジョアキン牧師に導かれカヌードスに入る

????:ジョルナル・ジ・ノチシアスの近眼の記者 もとはカナヴラーヴァ系の新聞に勤めていた 共和主義となり対抗誌にうつった セザル大佐に同行するも彼の戦死後は囚われていたジョアキン司祭を解放しともに行動する

ドン・ジョアキン司祭:酔っ払いの非カプチン系 銃をもってカヌードスのため戦死
ベアチーニョ(敬虔坊や)・アントニオ:孤児で靴屋に養子にはいる 妹はカナブラーヴァ農園に引き取られた(ジュレーマかも。。。。) 最後に白旗をあげて内部ジャグンソのうち障害者とか妊婦など無力なジャグンソを率いて投降しようとする。これはユダ的行為と言えるのだろうか。。。。降伏後彼らがなぶり殺しにされるのを防ぐため、逃げずに戦うジャグンソから背後より銃殺される
ジョアン・グランジ:優性思想で交配され生まれた黒人奴隷で女主人を斬殺して逃亡
ジョアン・サタン:母に捨てられ孤児となった彼を伯父夫婦が育てたが、かれらはいわれのない密告で軍隊に殺され、盗賊の一味に入り棟梁となり村に復讐した 回心し、ジョアン・アバージ(神の子)と命名された カタリーナは妻(実父を夫に殺された,サタンの仲間に陵辱されたがサタンの改心に感動し結婚) 小人の語る悪魔ロベルトの物語に涙を流す
パジェウ:元盗賊、パジェウはジュレーマに恋する。パジェウは殺された父の敵をとるためにスパイになる少年に知恵をさずける。パジェウは最後にヴィラノバ一族、ジュレーマ、???、小人、などを尊師の命令で逃亡させるが、自身はつかまり拷問死。
マカンビラ親子(3~4名):農園主兼武将にてカヌードスに参加、マタデイラ破壊に失敗し戦死
ヴィラノバ兄弟:妻はサルデリーニャ姉妹アントニアとアスンサン
ナトゥーバのレオン:下肢不全のため四つ足で歩く 巨大な頭をもち知的にすぐれる
花火屋アントニオ:カリリ・インディオとともにカヌードスに入る 火薬製造も担当
ぺドロン:巨漢の元盗賊
ーーーーーー マカンビラが4名とすれば13人の使徒となるが。。。。
マリア・クアドラード:生活苦から我が子を殺し、贖罪のためピクアラサー山脈の奇跡の十字架道に詣で、信女団長になり人類の母と呼ばれる 
アレジャンドリーニャ・コレアとジェルトルーディス:信女たち。前者は井戸の予知ができ、ジョアキン牧師の愛人であったが回心して信女団に入る。

2017年6月2日金曜日

ブリキの太鼓(登場人物)

オスカル・マツェラート - ダーフィト・ベンネント
3歳で成長を止めた少年。叫び声でガラスを割ることができる。

アルフレート・マツェラート - マリオ・アドルフ
オスカルの父親。ドイツ人でナチス党員。食料雑貨店を経営。元料理人。ナチズムに共感し、同党に入党するがドイツの敗色が明らかになると室内に掲げたヒトラーの肖像をベートーヴェンのそれに掛け代えるなど日和見的。妻を愛し彼女がヤンの子を宿したことを知ったときもそれを受け入れる度量の広さがある。ソ連兵が家に侵入してきたときにオスカルが不意に取り出したナチ党のバッチを飲み込むことで隠そうとしたが、喉につかえてもがき苦しむ中、状況を理解できないソ連兵の短機関銃で撃ち殺される。

アグネス・マツェラート - アンゲラ・ヴィンクラー
オスカルの母親。オスカルには愛情を注ぐが、ヤンとの情事をやめることが出来ず彼の子を身ごもる。このほか横恋慕してくるマルクスを適当にあしらいつつ、プレゼントは受け取り、ヤンとの密会のときオスカルを彼に預けるなど要領の良さもある。オスカルの子育てに悩み、2人目の子を妊娠すると精神のバランスを崩して自ら命を絶つ。

クルト・マツェラート
アルフレートの二男、オスカルは自分の子と信じている。

マリア・マツェラート
アルフレートの店に住み込みで働くようになった少女。
オスカルと同い年で初恋の相手。後にアルフレートとの情事の際オスカルに
膣外射精を邪魔され、その結果息子クルトを宿し、世間体を繕うために親子ほど
歳の離れたアルフレートの後妻となる。

ヤン・ブロンスキ
アグネスの従兄で恋人(愛人)。オスカルの実父である可能性がある。:ポーランド人専用郵便局に勤める。ドイツとポーランドの戦争が勃発し、ポーランド郵便局でドイツ民兵との撃ち合いが起こったが、小心なヤンは戦いに加わることは出来ずトランプに興じ恐怖を紛らわすが、さ迷い出るオスカルを追ううちに、戦闘場面に足を踏み入れてしまい、成り行き上自らもポーランド側で銃撃に参加させられ、ドイツ民兵に銃殺される。




アンナ・コリャイチェク
アグネスの母親。カシュバイ人 (en) 。旧姓ブロンスキ(ブロンスカ)。野外でたき火に当たっているとき警官に追われているヨーゼフをスカートの中にかくまうが、このとき種をしこまれアグネスを生む。

ヨーゼフ・コリャイチェク
アグネスの父親。放火の常習犯。
アンナと1年ほど暮らした後に再び警察に追われ、川に飛び込んで行方不明になる。

ジグムンド・マルクス
ユダヤ人の玩具店オーナー (オスカルの太鼓は同店より入手)、独身で風采が上がらないが人妻のアグネスに横恋慕し、駆け落ち話を持ちかけるが適当にあしらわれている。ユダヤ人ゆえにコミュニティから排除され、水晶の夜の事件のあと服毒自殺する。

ヴィンゼンツ小父

グレフ
八百屋店主、ボーイスカウト隊長、ナチス党員

リナ・グレフ
グレフの妻、怠惰な女。

トランペット吹きのマイロ

ユダヤ人を差別する小市民。常に愛用のトランペットを携帯。

2017年5月14日日曜日

ギリシャ悲劇とセネカ悲劇

第一巻 アガメムノーン / アイスキュロス/著@(オテスティア三部作の始まり)
     コエーポロイ / アイスキュロス/著@(供養する女たち)エレクトラ譚
     エウメニデス / アイスキュロス/著@(慈愛の女神たち)オレステス譚
第二巻  縛られたプロメーテウス / アイスキュロス/著(神話)
     ペルサイ / アイスキュロス/著(ペルシャ戦の史実)
     テーバイ攻めの七将 / アイスキュロス/著(オイディプスの息子たち)@
    ヒケティデス / アイスキュロス/著(嘆願:エウリピデスのとは違う!)
第三巻 オイディプース  / ソフォクレス/著@
      コローノスのオイディプース  / ソフォクレス/著@
     アンティゴネー / ソフォクレス/著@
第四巻 大アイアース / ソポクレース(トロイ伝説)
    トラーキーニア /ソポクレース(ヘラクレスの家族殺し)
    エーレクトラー /ソポクレース(激情のエレクトラ)@
    ピロクテーテース /ソポクレース(トロイ伝説)
第五巻 アルケースティス / エウリーピデース(ヘラクレスの活躍)
    メーデイア / エウリーピデス(魔女もの、イアソン伝説)!
    ヘーラクレイダイ / エウリーピデース(ドーリア人移動の史実)
    ヒッポリュトス  /  エウリーピデース(神話)@
第六巻 アンドロマケー  /  エウリーピデース(トロイ伝説)@
    ヘカベー /  エウリーピデース (トロイ伝説)!
    ヒケティデス  /  エウリーピデース(テーベ攻め七将の遺骸を引き取る)
    ヘーラクレース  /  エウリーピデース(ヘラクレスの家族殺し)
第七巻 イオーン  /  エウリーピデース (神話)
    トローアデス /  エウリーピデース(トロイの女たち)@
    エーレクトラー  /  エウリーピデース
    タウリケーのイーピゲネイア / エウリーピデース(実は死んでなかった!)
第八巻 ヘレネ―   /  エウリピデス(実はエジプトにいた!)
    ポイニッサイ   /  エウリピデス(オイディプス追放の具体化)@
    オレステース   /  エウリピデス  
第九巻 バッカイ  /  エウリーピデース@
    アウリスのイーピゲネイア  / エウリーピデース@
    レーソス  /  エウリーピデース (トロイ伝説)
    キュクロープス  /  エウリーピデース(喜劇)
第十巻から第十三巻までは残片集、第十四巻は別巻で原典の研究書

セネカ悲劇

2017年5月11日木曜日

ユーカラ(抄録)

ポンヤウンペを育てた存在は姿を現さないため、何者かは語られないが、この謎の人物に何不自由なく育てられたとされる。少年の頃から弓の達人であり、蚊を狙えば、7、8匹を一気に重ね潰し、家の柱などに当てたとされる[3]。
その後の語りでは、今まで見たことのない「神の鎧兜」を身にまとう[4]。その時の語りでは、初め、中身のない人間と表現される。アイヌ民族には甲冑師の存在がないためか、鎧兜は神の国(カムイモシリ)から貸し与えられたものと認識されている。ポンヤウンペが身につけた鎧兜は、「金の小袖、黒の縅(おどし)、白の縅、赤の縅(中略)、美しい鎧兜」と表現されている[注 1]。鎧兜と宝刀を身につけたポンヤウンペは、神意のおもむくまま、生まれ育ったコタンを旅立つ。
この鎧兜を着用していると、多くの女性から夫が帰って来たと誤解された(錯覚させた)という。最終的には(後述の悪党6人を倒した後)、役目を終えた鎧兜は、雷鳴と共に神の国である天上へと消え去った[6]。
他のアイヌを侵略しようとする悪党6人と6対1の戦いをする。この悪党も数々の妖術を駆使した。この時、ポンヤウンペは、妖術を避けるため、分身の術で2、3人になった[7]。そして、最後は宝刀(アイヌ刀も参照)で一度に6人の首を切り落とした。
物語の途中、謎の怪力女(空も飛ぶため、やはり常人ではない)が味方をし、ポンヤウンペの代わりに、悪人に操られた怪力女(その美貌から結婚を何人もの男から迫られ、火口へ落としている)と火山火口の上で相撲をするも、ポンヤウンペが悪党との闘いに決着をつけ、駆けつけた時には、すでに遅く、敗れて、火口に落ち、死んでしまった。操られていた女性は悪党の妹であり、ポンヤウンペはカムイのお告げから自分の妻となる存在であると確信していたため、抱き寄せた。
ユーカラ2[編集]
全8戦記の序章の内容として、トミサンベツのシヌタプカ(現在の黄金山か摺鉢山とも[8])に大きな城(チャシ[注 2])があり、育ての兄と姉がいて、育った環境が語られる(父は樺太方面に交易に出かけたおり、亡くなったとされる[10])。この点において、ユーカラ1の「謎の人物」に育てられた内容とは異なる。
ある日、興味深い噂(こがねのラッコにまつわる話で、イシカリ彦が退治した者には、自分の妹と宝をやるとした)を聞いたポンヤウンペは育ての姉に怒られながらも、護刀である「クツネシリカ[注 3]」を携えて石狩の川尻へと向かう。そこで若き東方の人・ポンチュプカ彦や礼文島の人・レブンシチ彦、小島の人・ポンモシリ彦などがこがねのラッコに挑むもやられてしまう光景を見る。ポンヤウンペの番となり、一時、苦しめられ、負けそうになるが、退治することに成功する。ラッコの首をつかみ、天空へと去り、真っ直ぐにシヌタプカの城へと疾走してくる。
しかし、このことが原因となって、大戦となり、その度、クツネシリカの鞘や鍔、柄に彫りこまれた夏狐の化身や雷神の雄神・雌神、狼神などが憑き神となって、危急の度、ポンヤウンペを守り、刺し殺していった[8]。
ポンヤウンペに味方した側は、「ヤ・ウン・クル(丘の人)」と総称され、敵側の総称は、「レプン・クル(沖の人)」といわれた[11]。
各敵と戦った際、刀の他、棍棒打ちでの一騎討ちも行われており、敵味方共に女性呪術者が登場する[注 4]。敵の呪術者は戦の結末を予見し、ポンヤウンペに心を寄せ、寝返り、ポンヤウンペが敵を倒すと彼と共に帰郷している(敵の親族女性が最終的にポンヤウンペと共になる点はユーカラ1と同じ)

日本における近代アイヌ研究の創始者とも言える金田一京助の分類によると、ユーカラは、「人間のユーカラ」(英雄叙事詩)と「カムイユーカラ」(神謡)の二種類に分けられる。人間(=アイヌ)を中心として語られるユーカラは、主にポンヤウンペと呼ばれる少年が活躍する冒険譚である。
「カムイユーカラ」はカムイが一人称で語る形式をとっており、サケヘと呼ばれる繰り返し語が特徴で、アイヌの世界観を反映した、神々の世界の物語である。中には、神・自然と人間の関係についての教えが含まれている。
散文の物語はアイヌ語ではウエペケレという。

ウエペケㇾの名称は現在の日高町や平取町に当たる沙流郡で一般的であるが、地域によっては「トゥイタク」という名称で呼ばれることもある。話の内容は空想の物語ではなく「先祖の実体験」を語るものが多く、語る際は節や抑揚をつけず日常会話のアイヌ語を用いる。
叙事詩で伝えられ、節をつけて語るユーカラとは異なり、散文の形式で伝えられるのが特徴。また、カムイユーカラと同じく、人間が語る形式で描かれており、神が語る形式をとっている物語はほとんど無い。これらウエペケㇾの物語には飢饉や疫病、神にまつわる話や喧嘩の話まで、様々な体験を子孫に語り継ぐことを目的とした内容である。大抵の場合は、「私はオタスツコタンの村長です」のように、一人称で語られる。その一方で、内地民話の「正直爺さんと意地悪爺さん」によく似た「パナンペ・ペナンペ譚」では、「パナンペがいた。ペナンペがいた」と三人称で語られる。
話の出だしの部分では、主人公の生活の貧富や暮らしぶり、家族構成が語られる特徴があり、これらは物語の内容へ大きくかかわるものである。多くは主人公の名前が無く、明るい結末に終わる話が大多数を占める。また、物語における事件が終わった後、大家族に囲まれどれだけ幸せな人生を送ったかが描かれることが通例で、幸せに生涯を終えることが至福のものであるというアイヌの人生観をいくぶん反映している。


カレワラ(抄録)

成立の過程[編集]
フィンランドに独特の伝説や伝承が多数存在することは17世紀ころから知られ始め、18世紀には多くの研究が行われるようになった。1809年、フィンランドがロシア帝国に編入されたことを契機に民族意識が高まり、民族に特有の伝承が、固有の文化として認識されるようになった。
そうした中、エリアス・リョンロートがこの分野の研究を始めた。まず1827年に『ワイナミョイネン・古代フィン人の神格』という論文を発表。その頃から民族詩の採集旅行を行った。何度かの旅行の後、北フィンランドのカヤーニに医師として赴任、そこを本拠地に歌謡の収集を精力的に行った。1833年、アルハンゲリスクのブオッキニエミで大量の歌謡を採集した。これによってサンポにまつわる物語の大部分がそろい、彼はこれにレンミンカイネンの物語と結婚歌謡をまとめ、『ワイナミョイネンの民詩集』として発表した。これは後に「原カレワラ」と呼ばれるようになった。
彼は翌年もその地を訪れて多くの歌謡を収集し、原カレワラを補修改訂して『カレワラ・フィンランド民族太古よりの古代カレリア民詩』を発表(1835年)、これは「古カレワラ」と言われる。彼はその後、調査地域を広げ、ラップランドや南カレリア、イングリアなどからも民詩を採集、それまでのものを見直し、拡充して『新カレワラ』を1849年に発表した。これが現在カレワラとして知られているものである。
その価値と問題[編集]
カレワラはフィンランドの伝承に基づくものではあるが、口承そのままではない。リョンロートは、それらの歌謡や民詩を適当に取捨選択しただけでなく、全体がひとつながりの物語となるように配置し、互いの整合性や連続を持たせるように編集したり、名前を変えたり、時には自分で創作した詩句によって埋めたりもしている。カレワラ全体における彼の創作は、一説によれば約5%と言われる。
この点については、やや注意を要する。芸術作品として見る場合、このことはなんら問題ではない。彼の創作した部分も違和感なく全体に収まっているとの評価である。ただし、そのためにストーリー展開に無理が生じている部分もある。たとえば結婚歌謡の部分など、物語としてはイルマリネンが遂に嫁をもらえて、それをつれて実家に帰るだけの部分に5章も費やしている。これは民謡を採取保存するという目的にはかなっているが、物語の展開としてはくどく感じられる。他方、これを神話や伝承として見る場合には、場合によっては本来の意味と異なっている場合が少なくない。そのような観点から、カレワラを民俗誌として読むときには、上記の点に留意しておかねばならない。
登場人物[編集]
カレワラには実に多くの名前が登場する。なかには一度だけ登場するものもあり、何度もあちこちに顔を出すものもある。人間のように扱われているものもあれば、神、あるいは精霊として扱われるものもある。なお、カレワラでは口調を整える目的もあり、固有名詞に対してお決まりの簡潔な形容が二つ名前のようにつく例が多い。以下、各論において名前の後の「」がそれである。訳は参考にあげた岩波文庫版(小泉訳)による。
神的なもの[編集]
神として名が出るのはウッコである。
ウッコ
「至高の神」
このほかに明確に神として名の出るものはいない。
明らかに人間ではなく、より神に近い存在としては、大気の乙女や水の乙女として時々姿を現す女性たちがある。イルマタルの他にも、例えば鉄の起源の呪文にも3人の乙女がその乳を零したものが鉄となったとの言葉がある。
イルマタル
ワイナミョイネンの母。「大気の乙女」であったが海に降りて彼を生んだ。
悪魔に近い扱いをされているのがヒーシである。
ヒーシ
本来は犠牲を捧げる森のことであったらしいが、次第に人の近寄れない森、恐ろしい場所、と云ったふうに意味が変わり、人に悪さをする存在を意味するようになったようである。
人間的なもの[編集]
主要な登場者は人間のように描かれながらも超人的な能力をもつ。特に全編を通じて主役格を張るワイナミョイネン、イルマリネン、レンミンカイネンは、人びとの中で人間のように暮らし、嫁を求めたりするが、普通の人のできないことを行い、時には多くの人間を率いて活動する。この範囲では人間の中の英雄と見ることができる。他方で魔法の力などにおいては超人的なものがあるが、この物語の中では一般の人びとも魔法を使うから、特に非人間的特徴と見なすことはできない。
しかし、例えばイルマリネンは天の覆いを打ち出したと言われるように、この三者の業績とされるものには創世に関わるような神の業に近いものが含まれている。これらについては、カレワラを神話と見るか、伝説と見るかで判断が分かれる。前者的な立場で見れば、これらの登場者は神であり、自然現象などの象徴であると見なせる。後者の立場に立てば、これらの人物の多くは人間であり、実在の人物や複数の人物を元に創造されたものと考えられる。実際にはこのどちらであるかは論の分かれるところが多い。

『サンポの防衛』(アクセリ・ガッレン=カッレラ、1896年) - ポホヨラのサンポを盗み出したワイナミョイネンを襲撃する魔女たちと、それに応戦するワイナミョイネン
ワイナミョイネン [ワイナモイネン、ヴァイナモイネン](Väinämöinen):「強固な老ワイナミョイネン」「不滅の賢者」
白い髭を長く伸ばした逞しい老人である。広大な知識と魔法の力を持ち、大胆で判断力にも優れる。多くの伝承や呪文の中で最大の英雄である。また歌の最後に彼の言葉として教訓がつく例が多い。語源的にはワイナは、「深く、静かに流れる川」の意であること、彼が海中で生まれ、大渦巻きに姿を消すことなどから、「水の主」という性格を読み取る向きもある。世界の創造も、元の伝承では彼によるものである。
イルマリネン (Ilmarinen):「不滅の匠」
鍛冶屋で、壮年。鍛冶屋としては特別な腕をもち、天の覆いを打ち出したと言われる。カレワラの中ではサンポを鍛えた他、ワイナミョイネンなどが必要な道具を彼に作ってもらうシーンが多い。魔法の腕も優れている。しかし、やや軽はずみな面があり、作ったものが役に立たない場合(月日、黄金の花嫁など)もあった。神的性格としてみると、ワイナミョイネンが水の神、イルマリネンは天空の神に当たるとする説もある。
レンミンカイネン (Lemminkäinen):「かのむら気なレンミンカイネン」「端麗なるカウコミエリ」
若者である。男前で、武術の腕も、魔法の腕も特級、そのうえに女たらし。しかもわがままで身勝手、そのためにあちこちで騒ぎを起こし、災難にも会う。本来の伝承中ではそれほど出番が多いわけでなく、カレワラ中の彼に関する物語は、他の名のもとで伝えられたものを集めたものらしい。
クッレルヴォ (Kullervo)「カレルヴォの息子」「老人の青い靴下の息子」
ウンタモに滅ぼされたカレルヴォ一族の女がウンタモのところで産み落とした男子。飛びきり力に優れるが、まともなことが絶対に出来ない。これは、彼が正しい育て手の下で育てられなかったからである。クッレルヴォの物語は、本来はカレワラのそれ以外の部分とは孤立していたものであるが、彼が殺した主婦をイルマリネンの妻にすることで、リョンロットがカレワラの中にうまく取り込んでしまったものである。また、壊れた刀を親の形見とした部分もリョンロットの創作であり、その結果、クッレルヴォは粗暴で残虐な人物から悲劇の主人公へとその姿を変えている。
彼は力がありすぎるのにそれを使う知恵が育っていない。だから船をこげば櫂受けを壊し、船を壊すし、網打ちをすれば網ごと粉砕する。しかし、これは彼が悪いだけでなく、まわりのものも悪いのが示されている。彼が「力の限り漕いで良いか(網打って良いか)?」と問うのに「力の限りにやれ」と答えているが、これが間違いであるのは、後の章でレンミンカイネンがワイナミョイネンに同様な問いかけをしたとき、ワイナミョイネンは「状況に合わせて力を出せれば十分」と答えているのでわかる。
ヨウカハイネン (Joukahainen)
吟遊詩人にして狩人。アイノの兄。
アイノ (Aino)
ワイナミョイネンとの結婚を強いられた娘だがそれを拒み、海に身を投じる。
ロウヒ (Louhi)
ポホヨラの女主人。強大なる魔女。
キュッリッキ (Kyllikki)
レンミンカイネンの妻。誘拐まがいの結婚劇であった。
内容[編集]
第1章:語り始めと天地創造[編集]
語り始めの言葉の後に、天地創造が説かれる。大気の娘、イルマタルはある時退屈しのぎに大空から海面に降り、そこで波によって身ごもった。彼女は長らく大きなお腹のままさまよい、その間に彼女の膝に降りたカモの生んだ卵が砕けて天地が造られた。彼女はさらにさまざまな地形を作った後、ワイナミョイネンを産み落とした。彼は産まれたときにすでに年老いていて、海上をさまよった後に陸に上った。
天地創造は、元の伝承ではワイナミョイネンが行ったことになっており、イルマタルにそれを移したのはリョンロットが聖母マリアを想定した創作である。
第2章:巨大な樫の木と大麦[編集]
ワイナミョイネンはサンプサ・ペッレルボイネンに命じて種蒔きを行う。樫だけが育たなかったので四人の乙女と海のトゥルサスの働きで育て直したところ、今度は育ち過ぎて天地を覆い隠すようになった。そこで海の母に願って樫を切り倒すものを呼んだ。やってきた男は最初は小人だったが目の前で大男となり、木を切り倒した。倒れた木は海に落ち、その破片は人々に幸せをもたらすものとなった。
全ての植物は育つようになったが大麦だけは育たなかった。ワイナミョイネンは木を切り倒し、畑を開墾したが、白樺を一本残した。その理由を鷲に問われて「鳥が止まれるように」というと、鷲は火を打ちだし、開墾地を燃やした。そこに麦を蒔くと、麦はよく育った。ワイナミョイネンは郭公によく鳴くように命じた。
第3章〜第5章:アイノへの求婚[編集]
ワイナミョイネンの名声を聞いて、若者ヨウカハイネンは父母の反対を押し切って出掛け、対決を申し込んだ。ワイナミョイネンは彼を相手にしなかったが、母イルマタルの創造までを自分の技だという彼の大言壮語に腹を立て、魔法の歌で彼を地面に埋めてしまう。ヨウカハイネンは命乞いをし、贈り物を提案するが全て拒否され、最後に妹のアイノを差し出すというと、助けられる。家に帰って報告すると、父母はそれをむしろ喜ぶが、アイノは悲嘆にくれる(第3章)。アイノの前にワイナミョイネンが現れ求婚すると、彼女はこれを拒否し、大いに泣く。父母が慰め、気晴らしに着飾って森に行くように言うと、彼女はそうして海辺に出て、そこで落ちて溺れ、魚になる。ウサギにこのことを父母に伝えるよう願い、ウサギは伝える。母は大いに泣く(第4章)。ワイナミョイネンはこれを聞き、悲しんだ後、その海へ出掛け、釣りを始める。そして不思議な美しい魚を釣り上げる。彼が料理しようとすると魚は海へ逃れた後に自分がアイノであることを告げ、「食べられにきたのではなく、妻になりにきたのに」と伝え、姿を隠す。彼は悲しみ、網を引くが魚は捕まらなかった。ワイナミョイネンは母にどうすればよいか尋ねると、母はポホヨラの娘に求婚するように告げる(第5章)。
第6章〜第9章:ポホヨラ往復[編集]
ワイナミョイネンはポホヨラへ旅立つ。そこをヨウカハイネンが弓で撃った。3発目が当たり、ワイナミョイネンは海に落ちた(第6章)。ワイナミョイネンは海をただよっていたが、鷲がそれを見つけ、陸まで乗せて飛んだ。そこで泣いているとその声をポホヨラの女主人ロウヒが聞き、彼を家に迎える。ワイナミョイネンは自分の国へ戻る道を尋ねると、ロウヒは「私のためにサンポを作るなら、国へ帰し、うちの娘を嫁にやる」と約束する。ワイナミョイネンはそのためには自分の国に戻り、鍛冶屋のイルマリネンを呼ばねばならないと言って、国へ帰してもらう(第7章)。ワイナミョイネンが帰国の途中、道の頭上にポホヨラの乙女が現れる。彼は彼女に求愛すると、彼女は3つの難題を課す。2つまではやすやすとやり遂げたものの、3つ目の船の建造の最中に斧がそれて彼の膝を大きく傷つけた。彼は血止めの処置をするが十分にできず、橇で村に向かい、助力を願う(第8章)。村の男は血止めの呪文のために必要な「鉄の起源」が分からないというので、ワイナミョイネンはそれを語って聞かせ、それによって軟膏は完成し、傷が治る(第9章)。
第10章:サンポの鋳造[編集]
ワイナミョイネンはカレワラの荒れ地に巨大な木を歌い出した。その枝先に太陽や月を引っ掻けた。そうして鍛冶屋のイルマリネンの元へ行き、ポホヨラにサンポを作りに行くよう願うが、拒否される。そこで枝に太陽や月の掛かった木があると行って呼び寄せ、彼を木に登らせ、それから大風を吹かせてその木ごと彼をポホヨラへと送り出した。ロウヒは彼が到着するや娘たちに着飾らせ、彼に「サンポができたら娘を嫁に」というので、彼も承知して鍛冶場作りから始め、とうとうサンポを作り上げた。ロウヒは大いに喜び、これを山の奥深くに隠した。イルマリネンは娘を要求するが、娘が拒否、彼は悲嘆に暮れて帰国する。
第11章〜第14章:レンミンカイネンの求婚旅行[編集]
レンミンカイネンは男前で有能な青年だったが、血の気が多く、女癖が悪かった。彼はサーリに求婚しに出掛ける。そこでは彼は笑い者であったが、次第に娘たちを籠絡し、すべての女に手をつけた。名家の娘キュッリッキは彼になびかなかった。彼は彼女をさらい、彼女に結婚を承諾させる。ただし、彼は今後戦に出かけないこと、彼女は村へ遊びに出ないことを約束した(第11章)。2人は約束を守って暮らしたが、ある時彼女が約束を破り、腹を立てたレンミンカイネンはポホヨラへ戦に出掛けようとする。母や妻が止めるのを押し切って出掛け、ポホヨラに着くと、すべての男たちに呪いをかけてしまう。ただし盲目の老人一人は「おまえは既に哀れなものだ」と言って呪いをかけなかった(第12章)。そこでレンミンカイネンは娘をよこすように言った。ポホヨラの女主人は最初にヒーシの鹿を狩ることを課題とした。レンミンカイネンはスキーの名工にスキーを作らせ狩りに出るが失敗する(第13章)。彼は改めて狩りの呪文を唱え、ついに鹿を捕らえる。女主人は次にトゥオネラの白鳥を撃ってくるように求める。彼が獲物をねらっていると、かつて彼が呪わなかった老人が彼を毒矢で撃った。レンミンカイネンは川に落ちて死んだ(第14章)。
第15章:レンミンカイネンの再生[編集]
レンミンカイネンの母は彼の死を察し、ポホヨラへ走り、彼の行方を訪ねた。女主人は何度かごまかそうとするが、詰問されて答える。母は彼の行方を尋ね回り、やがて彼が川に落ちたことを知る。彼女はイルマリネンに頼んで熊手を作らせ、それで川底を漁り、息子の破片を集め、つなぎあわせて元の姿とした。しかし、彼はものも言わなかったので、特に軟膏を作り、ようやく彼は元に戻った。彼と母は自国に戻った。
第16章〜第17章:ワイナミョイネンの船造り[編集]
ワイナミョイネンは船を造ろうとする。ペッレルボイネンが彼のために木を探す。それを以て船を造ったが、水に漕ぎ出す呪文が分からない。彼はそれを求めてマナラの太古の館(死後の世界)へ向かい、言葉を求めるが得られなかった。彼の帰還を邪魔するもの達を、魔法で眠らせたり、姿を変えたりして逃れ、帰国する(第16章)。彼は次に巨人のビプネンから言葉を聞き出そうと考え、イルマリネンに鉄の防具を作らせ、ビプネンの口の中に侵入した。ワイナミョイネンは船を造って彼の腸内を探り回り、やがて腹の中に鍛冶場を作り、大いに働いた。ビプネンはこれに驚き、多くの呪文で彼を排除しようとする。しかしワイナミョイネンが逃げ出さないので、あきらめて彼に多くの言葉を教え、彼はビプネンの口を出る(第17章)。
第18章:イルマリネンの求婚[編集]
ワイナミョイネンはポホヨラの娘に求婚するために船を出した。それを知ったイルマリネンの妹アンニッキは兄にそれを伝えた。イルマリネンはあわてて身支度をし、橇で彼を追った。両者は力づくで娘を奪うことはしないと約束し、ポホヨラへ向かった。ポホヨラの女主人はやってくるのが求婚者2人と知ると、娘にどっちを選ぶか尋ね、娘は若いイルマリネンの方がいいと答える。最初にワイナミョイネンが到着し、求婚するが、娘は拒否する(第18章)。
第19章:イルマリネンと課題[編集]
イルマリネンは女主人に娘を求めると、彼女はその前に蝮の畑を耕して来るように求める。彼は娘のところに行って相談すると、娘は金の鋤と銀の鋤を鍛えるよう教える。彼はこれを作り上げ、畑を耕した。次にトゥオニの熊とマナラの狼をつないで来ることを求められる。娘に相談し、鋼の轡と鉄の馬ろくを作るよう教えられ、これをやり遂げる。さらにトゥオネラの川から川カマスを取って来ることを求められ、娘に鷲を作ってそれにやらせるよう教えられる。彼は鷲を作り出し、鷲はカマスを食い殺す。ずたずたのカマスに文句がつくが、彼は改めて娘を求めた。ついに女主人はこれを認め、手打ちの歌を歌う。ワイナミョイネンは自分が老齢であることを認め、今後は老人が若い娘をもらわぬよう戒めた。
第20章〜第25章:イルマリネンの婚礼[編集]
婚礼の準備に巨大な牛が殺され、ビールが作られる。お客が招待されるが、レンミンカイネンは招待されなかった(第20章)。婚礼が始まる。歌い手としてワイナミョイネンが大いに歌う(第21章)。宴は盛り上がり、いよいよ花嫁が花婿に引き渡される。花嫁は生まれ育った場所から引き離されることを嘆く。家政婦が彼女がいなくなること、これからの苦労を悲しむ歌を歌う。子供が激励の歌を歌う(第22章)。花嫁の心掛けを説く言葉が告げられる。老婆は自分の過去を振り返り、その苦労などを語る(第23章)。婿に対しても心掛けが説かれ、嫁を大事にするように告げられる。そして花嫁の決別の歌が歌われ、いよいよイルマリネンは花嫁を橇に迎える。橇はイルマリネンの家に向かった(第24章)。実家では橇を待ち構え、花婿の帰還と花嫁の到着を歓迎する。歓迎の宴が行われ、出席者が次々に讃えられる。それからワイナミョイネンは橇に乗って故郷に向かうが、橇が壊れたので、トゥオネラの錐を手にいれるためにトゥオネラに赴き、帰還した(第25章)。
この部分は、結婚に関する祭礼などの歌を集めたものである。導入などにリョンロットの創作した部分がある。
第26章〜第27章:レンミンカイネンのポホヨラ行[編集]
レンミンカイネンは自分が招待されない婚礼があったことを知る。すぐに畑をなげうち、着飾って呼ばれぬ宴会に行くことを決意する。母や妻が押し止どめるが聞かない。母はその行路に三つの死があると、また到着した地で三つの死があると言い聞かせる。しかし彼は武具を身につけ、出掛けた。予告どおりの危機をすべて脱して、彼は宴会に向かった(26章)。彼は宴会に押し入り、そこで主人と魔法比べをする。さらに主人との決闘に勝ち、彼を殺す。女主人は怒って武者を多数呼び出し、彼を囲んだ(27章)。
第28章〜第29章:レンミンカイネンの逃走[編集]
レンミンカイネンは家を逃げ出し、鷲に姿を変えた。ポホヨラの主人は鷹になって追う。レンミンカイネンは自分の家に逃げ込んだ。母に聞かれて自分が主人を殺して追われていることを伝えた。母は、彼が二度と戦に出ないという誓いを立てさせた後、海原の小島に隠れるよう勧める(第28章)。レンミンカイネンは食料を船に積んで出発する。島には乙女がいたので、彼が尋ねると、隠れるのはいいが開墾する場所はないと答える。彼は魔法の歌を歌って皆に御馳走を振るまって気に入られ、村中の女に手をつけた。ただ一人、醜い娘だけを相手にしなかった。レンミンカイネンは旅に出る気になって船出の用意をしていると、彼女が現れ、自分を相手にしなければ座礁させる旨を告げる。それを無視して、ふと気が付けば、村中の男たちが彼を殺す準備をしていた。レンミンカイネンは逃げようとしたが、既に船は焼かれていた。あわてて魔法で船を作り出し、旅立った。娘たちは泣いて見送った。レンミンカイネンは故郷に帰った。彼が故郷に帰って見ると、家がなくなっていた。ポホヨラの主人に攻撃された後であった。しかし、幸い母は無事で近くに小さな家を建てていた。彼は大いに喜んだ(第29章)。
第30章:レンミンカイネンとティエラ[編集]
レンミンカイネンは復讐のために戦に出ることを決める。そこで友人のティエラを誘うことにした。彼の家族は反対したが、彼はレンミンカイネンとともに出発した。船を進めると、ポホヨラの主人は魔法で氷を張らせ、船は壊れる。彼らは魔法で馬を出し、進行する。しかし、寒さのために進めない。
第31章〜第33章:クッレルヴォの誕生と成長[編集]
ウンタモとカレルヴォはちょっとしたことからいがみ合うようになり、ついにウンタモはカレルヴォとその一党を滅ぼし、一人の女をつれ去った。その女が生んだのがクッレルヴォであった。彼は非常に力強く成長した。父のことを強く恨みに思っていることを知ったウンタモは、彼を殺すことを試みたが、水に浸けても火で焼いても死ななかった。そこで彼を奴隷の子として育てた。しかし彼はどんな仕事もこなせず、子守をさせれば子供を殺し、開墾をさせれば畑も材木も壊れた。ウンタモは彼をイルマリネンのところへ売り払った(第31章)。クッレルヴォは牧童をすることになった。主婦は家畜を送り出す歌を歌った(第32章)。昼になり飯を食おうとすると、パンの中に石が入っていて父の形見の小刀を折ってしまう。彼は怒り、牛を殺し、熊と狼を牛に歌い変え、それを連れて戻った。主婦は牛の世話をしようとして熊と狼に襲われて死んだ(第33章)。
第34章〜第35章:クッレルヴォの帰還[編集]
クッレルヴォはすぐさまイルマリネンの家から逃走し、荒野を放浪した。ところが、ここで通りかかった人から両親が健在であることを聞かされ、そのもとへと向かった。母親は喜び、家族の消息を説明し、妹が行方不明であると知らせる(第34章)。彼は両親の元で働いたが、やはりうまくこなせず、舟をこげば櫂受けを壊し、網打ちをすれば網ごと粉砕した。そこで旅には慣れているだろうと税金を納めに行くことになった。その帰り、彼はとある娘を橇に誘い、一夜を共にした。翌朝、互いの名乗りをしてみると、彼女は行方不明の妹だった。彼女は川に身を投げて自殺した。彼は自殺しようとするが、母が止めた。彼は考え直し、ウンタモ一族を滅ぼす決意をする(第35章)。
第36章:クッレルヴォの最期[編集]
クッレルヴォは出征の準備をする。彼は皆に別れの挨拶をするが、母親以外はさほど悲しまない。彼が出発すると、追いかけて使者がきて、家族全員の死を順に知られる。彼は突き放して答えるが、母に対してだけは大いに嘆く。彼はウンタモ一族を滅ぼし、故郷に帰った。そこには空き家だけがあった。彼は泣いた。それから食料を探しに森に入って、気が付くと、そこは妹が死んだ場所だった。彼は刀で胸を突いて自殺した。それを聞いたワイナミョイネンは後世に向け、子供の育て方を誤らないようにと語った。
第37章:黄金の花嫁[編集]
イルマリネンは、妻の死を大いに悲しみ、3ヶ月間泣き明かした後、金と銀で花嫁を作ることを思いつく。3度目に彼は黄金の花嫁を作り出したが、彼女は動くことも話すこともなく、抱いて寝ると冷たかった。彼はこれをワイナミョイネンに送ることにし、運んで行ったが、ワイナミョイネンはこれを拒否した。
第38章:イルマリネン2度目の求婚旅行[編集]
イルマリネンは再びポホヨラに向かい、娘を求めた。女主人は娘の死を聞いて怒り、二度と娘はやらないと告げた。彼は娘に直接に願ったが拒否され、とうとう娘をさらって家を飛び出した。娘は怒り、悲しみ、許しをこうたが彼は聞かず、ある村に飛び込んだ時、彼は疲れて寝てしまった。目を覚ますと、娘は他の男と楽しんでいた。イルマリネンは怒り悲しみ、娘を鴎に歌い変えた。
イルマリネンは自分の国へ帰ると、ワイナミョイネンに出会い、ワイナミョイネンは彼にポホヨラの暮らしはどうだったかを訪ねた。彼は「向こうにはサンポがあるから幸せに暮らしている」と告げた。
第39章:サンポ奪回へ[編集]
ワイナミョイネンはイルマリネンにサンポ奪回を持ちかける。イルマリネンはワイナミョイネンに刀を作る。自分のためには鎧を作った。彼らは木の船を見つけ、船の願いに沿って、漕ぎ手として若者と乙女、それに老人の集団を出した。若者と乙女は力弱く、老人は少しましだったが船足は遅く、ついにイルマリネンが漕いだ。レンミンカイネンはこの船を見つけ、目的を聞くとこれに参加することを求め、船に乗り込んだ。
第40章〜第41章:カンテレ[編集]
船は巨大なカマスの背に座礁し、レンミンカイネンはこれを倒そうとして海に落ち、イルマリネンは切りつけたが刀を折った。ワイナミョイネンは刀でカマスを殺した。皆で料理して食った後、ワイナミョイネンは残りの骨からカンテレを作った。弾こうとしたがだれにも弾けなかった。ワイナミョイネンはポホヨラには弾けるものがいるかもしれないと、これをポホヨラに送った。その地では多くの人が弾けたが、その音は喜ばしくなかった。楽器は再び作り手に戻された(第40章)。ワイナミョイネンはカンテレを演奏した。すべての動物がこれを聞きに集まった。妖精たちも聞き惚れた。聞いた人間はすべて涙を流した。ワイナミョイネン自らも涙を流した。その涙は海に沈んで真珠となった(第41章)。
第42章:サンポ奪回[編集]
イルマリネンは先頭の櫂、レンミンカイネンは後尾の櫂に、そしてワイナミョイネンは船尾に座り、船は進んだ。ポホヨラにつき、女主人のもとへ向かい、サンポを分けるように求めた。彼女はこれを拒否。彼は、ならばすべて持ち帰ると言ったので、女主人は立腹し、ポホヨラの全員を呼び出し、彼らは武装して集まった。ワイナミョイネンはカンテレを演奏し、彼らは全員よい気持ちになり、眠り込んだ。ワイナミョイネンにサンポをしまった扉を開き、運び出そうとしたが動かなかったので、牛を連れてきて引かせ、ようやく運び出し、船に乗せた。レンミンカイネンは漕ぎながら歌うと言い出し、再三止めたがついに歌い出した。その声でポホヨラのものたちは目を覚まし、盗まれたことを知って怒った。まずもやを歌い出し、ワイナミョイネンの足止めをした。彼はこれを払うと、さらに進んだ。今度は海からイク・トゥルソが現れたが、ワイナミョイネンにしかられて姿を消した。次は大風が吹き、カンテレは飛ばされた。ワイナミョイネンは悲しんだが船を強化してさらに進んだ。
第43章:サンポ戦争[編集]
女主人は軍勢を仕立て、戦船を進撃させた。ワイナミョイネンはこれを見つけ、暗礁を歌い出して船を粉々にした。彼らは全員眠り込んだ。武器を爪に変え、板をつなげて翼とし、鷲のような姿で飛び始めた。そして船に近づき、サンポを奪おうとした。レンミンカイネンは切り付けたが効果がない。ワイナミョイネンは舵を海から引きだし、殴りつけた。鳥の姿のものは海に落ちたが、爪が引っ掛かったのでサンポも海に落ち、破片となった。サンポの破片は各地にたどり着き、それぞれの地を富ませた。
ロウヒは復讐のために熊を送り、霰を降らせるというが、ワイナミョイネンはそれに対抗できる旨を答え、女主人は泣く泣くあきらめた。ポホヨラにはサンポの破片はほとんど来ず、ラップはパンの無い生活をすることになった。ワイナミョイネンは陸に着くと、サンポの破片を見つけ、それを以て土地が繁栄するように呪文を唱えた。
第44章:新たなカンテレ[編集]
平和になったことからワイナミョイネンはカンテレを弾きたくなり、イルマリネンに鉄の熊手を作らせ、カンテレを探したが見つからない。彼が草原に行くと白樺が泣いていた。理由を聞くと、切られ、削られるのが怖くてならないと言う。そこで彼は皆の喜びになるのだと木を慰め、その木で新しいカンテレを作った。彼はそれを演奏し、皆それを聞いて感動した。
第45章〜第46章:復讐[編集]
カレワが繁栄していることを聞いたロウヒは妬み、疫病を送った。ワイナミョイネンはそれを救いに出掛け、呪文や軟膏でそれを払った(第45章)。
カレワが救われたと聞いたロウヒは、今度は熊を送り付けた。ワイナミョイネンはイルマリネンに槍を作らせ、熊を捕らえ、礼を尽くして解体した(第46章)。
この章は熊祭の祭礼や歌を物語に取り込むために、ロウヒがそれを送り込んだことにしたものである。
第47章〜第49章:月と太陽の幽閉[編集]
ワイナミョイネンがカンテレを演奏すると、月や太陽まで近寄って聞き惚れた。ロウヒはそこで月と太陽を捕まえ、ポホヨラにつれ去り、鋼の山の中に幽閉し、さらに火を奪った。世界中が闇に包まれ、至高の神ウッコまでが憂鬱になった。ウッコは月と太陽を探したが見つからず、新たに火を作り、それを大気の娘が落としてしまう。ワイナミョイネンとイルマリネンはその火を探しに向かい、大気の娘に会い、火はあちこちを焼いた後、魚に飲まれたことを告げる。2人は網を作り、魚を探すが捕まらない(第47章)。
ワイナミョイネンは亜麻で網を作る。それでも魚は捕まらず、彼らはとても大きな網を作り、ついに目的の魚を捕まえた。取り出した火はワイナミョイネンにやけどを負わせた。火はその後周辺を焼いたが、やがて収まり、皆の家を暖めることになった。イルマリネンはやけどの軟膏を作った(第48章)。
人々はイルマリネンに求め、彼は新しい月と太陽を作った。しかし作ったものは輝かなかった。ワイナミョイネンは占いによって月と太陽の行方を知り、ポホヨラに向かった。彼はその家に入り、月と太陽の行方を尋ね、その解放を迫った。しかし聞き入れられなかったので、戦って彼らを倒した。彼は隠し扉を見つけ、しかし開くことができなかった。彼はイルマリネンに扉を開く道具の作成を依頼した。ロウヒは鳥の姿で鍛冶屋を訪ね、何を作っているかと尋ねた。彼は「ポホヨラの老婆の首輪だ」と答えたのを聞いて、彼女はついにあきらめ、太陽と月を解放した。ワイナミョイネンは月と太陽にあいさつし、これからも変わらぬことを求める(第49章)。
第50章:ワイナミョイネンの出立と結びの言葉[編集]
マリヤッタなる少女が処女懐胎して子供を産んだ。その子をどうするかの判断を求められたワイナミョイネンは彼を殺す判断をするが、その子になじられる。皆はその子を祝福し、ワイナミョイネンは旅立つ決意をする。海の彼方に旅立つところで物語は終結し、最後に物語の語りはじめに呼応する形で閉めの言葉が語られる。
この子供はキリストを意味し、キリスト教の拡大によってフィンランドの土着信仰が押しやられた経緯を示すものとされる。原カレワラにおいては渦巻にのまれてワイナミョイネンが姿を消す物語となっていたが、水平線の彼方に姿を消すという、生存の可能性を残す形にあらためられたものである。